仏検1級一発合格!受験レポート【レベル・問題傾向・対策】

仏検1級勉強法 仏検

Coucou ! ほたです。

1年半ぶりです。皆さんいかがお過ごしですか?

私は何をしていたかというと、タイトルからお分かりの通り仏検1級を受験し無事合格を果たしました!

筆記は基準点1点オーバー!危なーい!

誇れる点数では無いけど満足です。

去年の夏に突然受験を思い立ってから約1年、仕事と普段の生活以外はただ黙々と勉強していました…あらゆる隙間時間を使い朝も5時起きで勉強すること351日間、費やした時間は1483時間!

さて、こんな受験生さながらの生活を送って私がたどり着いた仏検1級合格法…
結論から言うと「ただ愚直に全力で全ジャンル勉強する」のみです!

面白味も何も無くてすみません。でも出来ればもう少しお付き合いください。

今このブログを読んでくださっている方の大半は仏検1級受験を少なくとも検討している状態だと思います。仏検1級って英検と違ってそもそも情報があまり無いんですよね。

情報は少ないし、合格率は例年約11%で及び腰になるし、合格まで何回も受けたという人も多いし(回数=年数)私の心は受験前から折れかけていました。みなさんはどうでしょうか?

ですがそんな私でもこの1年試行錯誤しまくって真剣にフランス語と向き合い、結果的に一発合格できたので方向性は間違っていなかったようです。

というわけで今日はこれから1級受験したいけどどうやって勉強しよう?という同志に向けて、私が1級合格までに1年かけて実際やったことを細かくまとめます!

今回は本当に色々やったので書くことがありすぎて、試験の総括偏・実際の対策と教材編で分けてお届け予定です。

 

仏検1級のレベル

まずは仏検1級の概要から。

程度:「聞く」「話す」「読む」「書く」という能力を高度にバランスよく身につけ、
フランス語を実地に役立てる職業で即戦力となる。

標準学習時間:600時間以上

試験内容:

読む 現代フランスにおける政治・経済・社会・文化の幅広い領域にわたり、新聞や雑誌の記事など、専門的かつ高度な内容の文章を、限られた時間の中で正確に読み取ることができる。

書く 与えられた日本語をフランス語としてふさわしい文に翻訳できる。その際、時事的な用語や固有名詞についての常識も前提となる。

聞く ラジオやテレビのニュースの内容を正確に把握できる。広く社会生活に必要なフランス語を聞き取る高度な能力が要求される。

話す 現代社会のさまざまな問題について、自分の意見を論理的に述べ、相手と高度な議論が展開できる。

文法知識 文の書き換え、多義語の問題、前置詞、動詞の選択・活用などについて、きわめて高度な文法知識が要求される。

語彙:制限なし

引用:APEF(フランス語教育振興協会)

APEF(フランス語教育振興協会)で定めている仏検1級は「フランス語マスター」、準1級のビジネスレベスを越え「フランス語を実地に役立てる職業で即戦力となる」です。

5級からここまで順番に来た身としては、1級は確かに別格です。正直、生半可な気持ちでは難しい。

でも私は準1級の時に訳あって正しい勉強の積み上げが出来なかったので、準1級時点でしっかり勉強された方は「名詞化」や「仏文和訳」など仏検特有の求められるスキルが同じな分多少有利です。

試験全体のレベルを見ると、準1級と同じく文法は高度で受験勉強のような型にはまった勉強が必要。リスニングやディクテ、面接で求められるレベルは優しいです。DELFを受けてる人には特にここが優しく感じるでしょう。

合格率は今年2022年度一次筆記通過が12.8%、二次試験までいって最終合格率が10.8%。去年2021年度は一次11.6%、最終で11%でした。合格者は50人程度かと思います。

さらに受験者を萎えさせるのが、準1級目安の「語彙約5,000語」の記載が1級だと「語彙:制限なし」になっているところなんですね。マニアックであろう単語も注釈なしです。

というわけで、今日から出会う新出単語はどんなに「こんな単語一生使わないよ」と思ってもせめて仏検までは覚える心意気が大切です。

 

 

仏検1級の試験形式

次に試験の形式も確認してみましょう。

試験形式:
1次試験(150点)
筆記 問題数9問、配点100点、試験時間120分。記述式、一部記号選択。
書き取り 問題数1問、配点20点。試験時間(下記聞き取りと合わせて)約40分。
聞き取り 問題数2問、配点30点。語記入、記号選択。

2次試験(50点)
個人面接試験 与えられたテーマのなかから受験者が選んだものについての発表と討論。
試験時間約9分。
コミュニケーション能力(自分の意見を要領よく表現する能力)とフランス語力(発音・文法・語・句)を判定する。

引用:APEF(フランス語教育振興協会)

準1級より少しずつ問題数と時間が長くなりましたが、ほぼ変わらないと思います。

1級は本当に一つのミスが合否を大きく左右するので要注意ではあるものの、やはり文法がハイレベルな分、書き取り聞き取りでカバーするのが無難です。

 

 

問題傾向、対策、総括

ここから実際の問題傾向を見ていきます。と言っても過去問題を詳しく載せられないので、私自身のざっくり総括です。大体のイメージを掴む参考に。

(前回の準1級は詳しく載せすぎてどこかから怒られそう…笑)
実際の過去問はAPEF公式ページにあるので参考にしてみて下さい。

 

筆記

名詞化

配点3点、計4問、合計12点。
準1級の穴埋めから、文章全体の書き換えが求められるのでかなりハードルが上がります。

一番労力を注いだわりには不発で残念。名詞さえ分かれば書き換えられるつもりだったのに…!一応正しい名詞で書けたのが2問。

最後まで綴りに迷った stupéfaite → stupéfaction が合っていたのには救われました。

有名な名詞化辞典を3周してある程度応用できるパターンがあるのはつかめました。名詞化辞典から出ることはないだろうと思っていたけど、過去問にはいくつかここから出題もあるのを発見。

 

多義語

配点2点、計4問、合計8点。
同じ単語が入る2つの文章の空欄を埋める問題です。

これも1問しか正解せず。悔しかったのが
Le vieillard était ( ) d’oreille. → Son collgue est ( ) à cuire.
をfinと書いたこと。(答えはdur) 真逆~!

「耳が近い・遠い」の発想は合ってたのに何故なの私。ちなみにdur à cuireで「手ごわい(人)」らしいです。フランス語の単語って正直ほとんどが多義語なので、辞書を引く度に最後まで読む癖をつけました。

 

前置詞

配点2点、計4問、合計8点。
文章の空欄に選択肢から適切な前置詞を選んで入れる問題です。

参考書によるとà, sur, de, en, pour, sous の出題頻度が高いようです。まぁ、そうは言ってもですよね。広すぎる。私は準1級で全問不正解したくらい苦手でお手上げパートです。

今回は一応普段から仏文を読む時はかなり前置詞に気を遣い単語を引く時も細かく前置詞を確認して、問題集の前置詞パートも丁寧にしました。それでも難しかった。

RFIニュースでこの動詞見たなぁと記憶の片隅にあった

en se retranchant (derrière) le sucret

そしてまぐれ当たりがもう一つで2問正解。正しい対策は未だに分かりません。

 

時事用語

配点1点、計5問、合計5点。
1級のみの時事用語を穴埋めするパートです。

あまりに分からないとメンタル的には嫌だけど、配点が低いので落としても大きな痛手ではないです。私は今回頑張ったのに全くのヤマ外れでした!

「医療ひっ迫」なんて間違いなくコロナ関連ニュースで何回も聞いてて分かりそうなのが埋められず…

「風力発電 l’énergie éolienne 」だけ正解しました。「管楽器 les instruments à vent」は時事用語なのか?と多くの受験者が思ったと思いますが、過去問には「ジェットコースター les montagnes russes」もあったので侮れません。

とにかく毎日RFIとNHKワールドニュースを聞いて記事読みすること。私は全部は無理だったのでキーワードの単語だったり意味が曖昧な部分を確認していました。そして多読。

また後の準備編で紹介する「ルモンドで学ぶ時事フランス語」のテキストから過去かなり出題実績があることを見つけました。これは長文対策にもかなり良本なので是非やってください。

とにかく試験までひたすらフランス語に触れて出会う単語の母数を増やすことに尽きます。今回発揮できなかったものの過去問によっては3問くらい解けることもありました。

 

動詞選択活用

配点2点、計5問、合計10点。
20行ほどのテキストの空欄に選択肢から適切な動詞を選び、必要な形にして埋めます。

選択肢の動詞自体に難しいものはありませんでした。(griller, mourir, réaliser, reculerなど)

ここは大いに勉強しがいのあるパートだと思います。

私は活用が前置詞に次ぐ苦手分野ですが今回Conjuuという有料アプリを導入して大特訓したのでかなり克服しました。

空欄の前後を確認して性数一致もさせる問題が高確率であります。(複合時制でavoirの前に直接目的語があるパターンが多い)

そもそも動詞選択を間違ってしまったけど動詞の活用自体には迷わなかったので満足です。3問正解。

 

長文完成選択穴埋め

配点2点、計5問、合計10点。
約1ページ(25行ほど)ある文章を読んで文脈に合う文を選択肢の中から選びます。

内容は La pollution sonore 騒音がどんな風に人体に影響するかという内容でした。
内容は多分ほぼ理解出来ていたけど、2問取り違えました。

 

長文正誤

配点2点、計6問、合計12点。
約1ページ(25行ほど)ある文章を読んで質問文の正誤を答えます。

内容は La collision d’un astéroide avec la Terre 小惑星の地球衝突の可能性の話でした。

自然科学テーマは好きなので9割理解で全問正解。ここは例年の正答率を見てもみんな取りやすいパートだと思います。

 

長文日本語要約

配点5点(?)、計3問、合計15点。
約1ページ(30行ほど)ある文章を読んで日本語の質問に日本語で内容要約します。

内容は Le baccalauréat au rabais 5月革命の動乱でその年バカロレアが簡素化されて取得率が高かった、という話でした。

最後の段落までは8割理解していたのに最後で見失う…どれだけ探しても「筆者が述べている将来」にあたる部分が見つけられない。絶対間違ってるだろうなぁと無理やり書いたのが回答例を見ると遠からずだったので、自己採点で10点くらいを予測しました。

 

和文仏訳

配点20点、1問のみ。
3行程度の日本語の文章をフランス語にします。

今回は主観的な易しい内容で、とりあえず書けない単語はありませんでした。ホッ。
過去問には「アリの巣 une fourmilière 」なんてあったので今年はラッキーかも。

難しかったのが「子供の成長は早いものだとつくづく思った」の部分で「つくづく」のニュアンスが出せなかった点。解答例では
Cela m’a donné pleinement conscience de la rapidité…と表していました。

対策代わりに日記を毎日1ページ書き続けたけど効果は???

試験直後はめっちゃ書けた!と思っていたのに後から自分の文法間違いにぽろぽろ気づきました…

 

聞き取り

リスニング穴埋め

配点4点、計5問(1問に穴埋め2つ)、合計20点。
内容はインタビューか対話です。トータルでインタビュー(対話)を3回、問題を2回聞けます。

注意するのが聞き取ったまま単語を埋めるのではなく、質問の答えの文によって動詞を活用させたり動詞を名詞に直して入れる必要がある場合があります。

例を挙げると、音声のインタビューで

L’indépendance, c’est ce que souhaitais. とあってそれに対する解答文が

C’est le fait d’être (     ) comme elle le souhaitait.

の場合は indépendante と、名詞から女性形容詞の単数にするという作業が必要です。(2016年度過去問)

まぁでも、既に仏検1級受けようというレベルの人には特別な対策はいらないくらい易しめ。私もリスニングは得意ではないけど簡単でした。ただし普段から音源はたくさん聞きましょう!

うっかり単語に要らないsをつけてしまったので-1。

 

リスニング内容正誤

配点1点、計10問、合計10点。
1級は20行程度の文章です。トータルで文章を3回、問題を2回聞けます。

過去問ではいつもほぼ全問正解だったのに、迷うところがあって悔しくも2問間違えました。

 

書き取り

配点20点、1問のみ。
文章はトータルで3回読まれます。一級は120語程度で、実際に解答用紙に埋めると9~10行程度になりました。

内容は19歳のパイロット女性の話でした。内容も単語もそれほど難しくはないので、対策はTV5MONDEのB2レベルをひとまず終えると良いと思います。出来ればもう少しプラスアルファで。

私はディクテは大判ノート1冊半埋まるくらいやりこんで、その成果かあまり話の内容が拾えていなくても書けるようになりました(それでいいのかしら)

いくつか綴りが曖昧だったので3点くらい引かれたかもですが、私には十分かな。ここは大きな得点源なので文法パートをだいぶカバーしてくれました。

 

 


これで試験後の感触が「文法はダメだったけどトータルだと…うーん…」という感じ。終わってから怖くて自己採点はせずでしたが、結果を見るとこの手ごたえは当たっていたようです。

ちなみに過去問の模試を2回やった時は、厳しめに自己採点してどちらも「ぎり合格」ラインでした。過去問の方が出来たように感じたほどなので、せめて模試で「問題によったらいけるかもしれない」と思えるレベルまでもっていくことを目安にするのが良いと思われます。

二次試験編はもっと長くなるので次回に続きます!

A bientôt !

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