Coucou ! ほたです。
少し前から「主食・おかずを表すぴったりなフランス語って何だろう?」と気になっていて先日フランス人に聞いたのですが、その時の話がとても興味深かったので今日はそれを共有しようと思います。
驚きの日本とは違う食に対する考え方の違い。フランスのレストランで注文する時、フランスパンを食べる時、フランス人に日本食を紹介する時の意識が変わる…かも。
フランス人の食の考え方
主食・おかずという概念はほぼ無い
日本人は無意識に「主食は米かパン(小麦粉)」と考えている方が大半です。
私もそうだからこそ主食とおかずの単語が知りたかったのですが、そもそもその発想自体がフランス人の中であまり無いようなのです。
考え方が違うから、辞書で調べてもしっくり来る単語が無いのも納得です。
そもそもパンは主食じゃない
彼いわく、日本で言う白ご飯にあたるフランスの「食のベース」的なものと言えばジャガイモ、パスタ、米、シリアルであり、パンは肉料理のソースに浸したりお皿をぬぐってきれいにしたり、あくまでオプションの扱いなのだそうです。
逆にお米がそっちに入るんですね!
最近は炭水化物ダイエットとしてご飯を減らしておかずを食べるのも普通になってきましたが、日本の食は基本的にはご飯+αとしてご飯ありきです。
でもフランスではパンを中心とした付け合わせを考えてはいません。
パンは日本の漬物に相当する
上の原理でいくとパンが無くても食卓が成り立つ、だから漬物のポジションだと言うのです。
更に詳しくフランスの食卓を考えてみると、3つ必要なものがあります。
la protéine タンパク質
le légume 野菜(繊維質ってことだと思います)
le féculent でんぷん質
ここで言うプロテインは肉や魚、野菜はもちろん野菜、でんぷん質はジャガイモやパスタなど(ここでジャガイモが légume じゃないのは、フランスでは野菜とみなしていないからです。これも驚き)
そしてこの三要素に「加えて」、オプションでパンです。
栄養素で食べ物を括るのが面白いですね。
「主食とおかず」をフランス語で言うには
ここで始めの私の疑問「主食とおかず」はフランス語で何と言うかに戻ると、あえて言うなら
– La base de l’alimentation
– L’accompagnement ( le féculent / les légumes)
になります。
でもその考え方は私たちのそれとは逆なのです。
タンパク質(つまり肉や魚)を中心とし、その他は l’accompagnement、つまり添えるもの=おかずという考え方です。
この理論でいくと先ほど食のベースと言ったでんぷん質(ご飯)もいわゆるおかずになってしまいます。うーん、複雑です!
日本ではまずご飯があって、それに合わせるものを考えていくのが基本。簡単に言えばご飯以外は全部おかず。丁度こんな感じ。
しかしフランスでレストランに入ると le plat principale で肉や魚を選び、それに accompagner(付け合わせるもの)としてお米や野菜を食べます。
パンは基本自動的についてはくるけど、あくまでオプションです。写真でも左上にパンがありますね。
多分なのですが、韓国のレストランで食事すると毎食注文してないのにキムチやナムルがついてくる、あれと同じなのではないかと私は理解しました!(笑)
漬物と表現するのも一理ありますね。
栄養はパン以外に有り
さらに驚いたことにこの話をしてくれたフランス人は子供の頃、食事でパンを食べるのを完全に禁止されていたらしいのです。理由は栄養がないのにお腹がふくれてしまうから。
フランス=フランスパンの国イメージが強すぎて、乱暴な言い方だけどフランス人はもっとパン信仰があるのかと思っていました。
だって日本の親は「ちょっとでいいからご飯食べなさい!」って言いますよね(言われませんでしたか?)
パンがそんな扱いだとは!結構なカルチャーショックです。
ちなみにここで言うパンはバゲットとかカンパーニュのような、お惣菜パンや菓子パンではないもののことです。私が以前ヴィエノワズリーって何?という記事の中で書いたように、フランス人の中でパンとヴィエノワズリーはハッキリと区別されているようです。
逆にバター・砂糖・卵がたっぷり入ったような菓子パンは朝食にもなり、栄養があります(太るけど)
私がフランス人に日本の食文化を説明するなら、
” Pour nous, le riz est la base de l’alimentation japonaise et le reste, les légumes, la viande, le poisson, tout cela est l’accompagnement.” みたいな感じでしょうか。
何でも自分の型にはめて考えてはダメなんだなぁ、と改めて感じた話でした。
A bienôt !
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