Coucou ! ほたです。
私は2級取得から実に10年ぶりの仏検でやっと重い腰を上げて、2018年に準1級に合格しました。
すれすれ合格できましたが申し込み直後に多くの環境の変化があり、心身ともに最悪の状態で準備もままならず受験したので反省だらけです。
そんな試験内容を今回改めて振り返り、これから受験する同志に向けて準1級の実際のレベルや問題傾向、対策、私が使った教材などを詳しくまとめます。
とても長いので、必要なところに目次から飛んでください。
仏検準1級のレベル
まず準1級とはどのくらいのレベルなのか?というところから。
APEF(フランス語教育振興協会)で定めているのは「ビジネスレベル」、一般的に言われているのは「大学のフランス語専門課程4年卒業レベル」です。
偉そうに言えないけど、今思えばその「ビジネス」という響きよりも難関ではないという印象。もっと言うと「文法は勉強が必要だけど、リスニングとディクテでかなりカバーできる」範囲です。
合格率はここ最近一次筆記通過が23%程度、そこから最終で毎年20%程度。2級の最終合格率が30%、1級が10%前後なところを見ると一つの級と級の間に大きな差がありますね。
2級と比べるなら筆記は文法レベルが突然急上昇、リスニングはそこそこ、面接は今までとは違う雰囲気でした。この辺の詳しい内容は後半で順番に見ていきます。
次にAPEFのサイトで準1級のレベルを確認してみます。
程度:
日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的な内容はもとより、
多様な分野についてのフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる。標準学習時間:
500時間以上(大学のフランス語専門課程卒業の学力を備え、新聞・雑誌などの
解説・記事を読み、その大意を要約できるだけのフランス語運用能力と知識が要求される。)試験内容:
読む 一般的な内容の文章を十分に理解できるだけでなく、多様な分野の文章についてもその大意を理解できる。
書く 一般的な事がらについてはもちろんのこと、多様な分野についても、与えられた日本語を正確なフランス語で書き表すことができる。
聞く 一般的な事がらを十分に聞き取るだけでなく、多様な分野にかかわる内容の文章の大意を理解できる。
話す 身近な問題や一般的な問題について、自分の意見を正確に述べ、相手ときちんした議論ができる。
文法知識 文の書き換え、多義語の問題、前置詞、動詞の選択・活用などについて、かなり高度な文法知識が要求される。語彙:約5,000語
先に書いた通り「ビジネスレベル」ということですが、語彙約5,000語は実際ビジネスほどハードではないはずです。
私も到底そんなレベルではないので皆さん字面で恐れないでください。ここに書いてある基準はあくまで目安。
恥を忍んで私のとんでもない点数を公開しようとしたら通知書が見当たりませんでしたが、一次は文法ほぼ全滅、リスニング、ライティング、ディクテで何とか補って基準点すれすれ通過。二次面接は全く定型の型を無視して思いついたことを少し話しただけ…(笑)
ひどい出来でしたが、こんな人でも合格できる可能性があります。
仏検準1級の試験形式
次に試験の形式も確認してみましょう。
試験形式:
1次試験(120点)
筆記 問題数8問、配点80点、試験時間100分。記述式、一部記号選択。
書き取り 問題数1問、配点20点。試験時間(下記聞き取りと合わせて)約35分。
聞き取り 問題数2問、配点20点。語記入、記号選択。2次試験(40点)
個人面接試験 与えられたテーマのなかから受験者が選んだものについての発表と討論。
試験時間約7分。
評価基準 コミュニケーション能力(自分の意見を要領よく表現する能力)とフランス語力(発音・文法・語・句)を判定する。
筆記の配点80点は当然かなり大きいのですが、上記にあるように文法知識についてはやはり高いレベルが要求され範囲も絞りにくいです。
逆に書き取りや聞き取りはぐっとレベルが下がるので対策がしやすく、配点も全体の3分の一ある為、ここを確実にしていくことが合格率を上げることにつながります。
問題傾向、対策、振り返り
ここから細かくそれぞれの対策を見ていきます。過去問は全てを載せられませんので、私がミスしたところを部分的に書いています。
筆記
名詞化
一問2点。問題文自体は2級レベル。
範囲はかなり広く「知ってるか、知ってないか」の世界でもあります。知らなければあまり深く悩まないのが得策。
2~3問は比較的難易度が低めで、出題は圧倒的に動詞→名詞が多く、次に形容詞→名詞の変化が多いので、接尾辞ごとに覚えておくと頭が整理出来ます。
名詞化辞典や名詞化のリストを一度やってみてパターンに慣れることをおすすめします。丸暗記は必要ないけど、不規則な変化をするものは意識して書き留めておくなどの意識を。
2018年秋は5問中2問が奇跡的に昔の対策本のリストから出題されて2問落とすだけで済みました。
■ミスした箇所
A ) Vous êtes trop fréquemment en retard.
B ) La ( ) de vos retards est excessive.
答えは fréquence
スペルミスして fréquance と書きました。
A ) Son visage disait qu’elle désapprouvait.
B ) On pouvait lire la ( ) sur son visage.
答えは désapprobation
全く思いつきませんでした。
多義語
同じ単語が入る2つの文章の空欄を埋める問題です。
一問1点しかありませんがこちらも文章はそれほど難しくない上、選択肢があるので落ち着いて読めば点数を取れるチャンス。1問落としました。
■ミスした箇所
A ) Cela ne semble pas ( ) dans ses compétences.
B ) Il a l’habitude de ( ) déjeuner.
答えは rentrer
2年経ってもう一度見てもAは分かりませんでしたが、Bの「彼は昼食を食べに帰る習慣がある」は大きなヒントでした。
rentrer dans qc で「収まる、はまる」という意味があります。つまりAは「それは彼の能力に合わないようです」
前置詞
文章の空欄に選択肢から適切な前置詞を選んで入れる問題です。一問1点。最苦手分野でなんと全問不正解しました(選択肢なのに…)
前置詞はかなり多くの用法があり、2級に比べてもぐんとレベルが上がっているので要注意ですが、正直全てをカバーすることは不可能に近いです。
出来ることは普段フランス語の文章に触れる時に特定の前置詞と結びつきやすい名詞、前置詞をともなう慣用表現や副詞句など気に留めていくこと、対策本の練習問題をこなすことくらいです。
一問1点なのであまり時間をかけず後半の長文や仏作文に余力を残すことをおすすめします。
■ミスした箇所(一部)
・Ce thé a un goût bien ( ) lui.
答えは à
辞書には goût の代わりに saveur bien à soi で「独特の味わい」とあります。
つまり「このお茶は独特の味がする」
・Pourquoi jugez-vous les gens ( ) leur mine ?
答えは sur
私は par を入れました。確かに à en juger par QC で「〜から察するに」という使い方もありますが、ここでは juger des gens sur la mine で「外見で人を判断する」という使い方をします。
動詞選択活用
15行ほどのテキストの空欄に選択肢から適切な動詞を選び、必要な形にして埋めます。
内容は仮にいくつか知らない単語があっても理解できるレベルです。知らない単語は実際2つありましたが文脈から推測出来る範囲でした。
選択肢の動詞にも特別難しいものはありません。むしろ avoir、pouvoir、se faire、など基本的な動詞になります。問題はそれを必要な形に変えること。
活用が苦手な人もとにかく基本動詞だけは対策して下さい。活用を練習できる有料アプリもあります。
私は動詞の選択より時制一致で玉砕し大きく点数を落としました。落ち着いて見ると苦手でも2、3問は正解出来る問題だと思います。
2018年秋の内容は『電車に乗り遅れそうになった男が発車直前にドアに掴まって乗ろうとしたニュース』でした。
■ミスした箇所(一部)
・« Bien qu’il ( ) dans sa cabine des écrans ..
答えは avoir を選択し ait にする
この il は運転手で、会話中の文章です。これはほぼサービス問題でした。Bien que に続くのは接続法なので avoir の接続法現在形です。訳は「彼はキャビンにモニターを持っているにも関わらず…」
・Une plainte ( ) par la SNCF dans quelques jours.
答えは déposer を選択し sera déposée にする
未来の話であり Une plainte(告訴)が主語なので être の単純未来系+受動態で最後に性数一致の e をつけます。訳は「SNCFは数日後に訴えを起こす予定」
長文完成選択穴埋め
穴埋め、選択問題です。一問2点。20行程度のテキストに空欄があり、そこに入る短い文(3〜10語)を3つの選択肢から選びます。
出題は新聞やコラムのような一般的な文章が多くテキスト自体の内容は理解しやすいレベルです。
2018年秋の内容は『自転車シェアサービス』についてでした。テキスト中に知らない単語は2〜3個でしたが、選択肢中でキーとなる単語がいくつか分からず半分落としました。これについてはやはり日々のボキャブラリー強化不足に尽きます。
長文を理解しやすくするにはコラムやインタビューなどでよく使われる単語に慣れ親しんでおくこと。でも突然 Le Monde なんか読むとハードルが高いのでNHK WORLDで毎日ニュースをフランス語で聞いて読む習慣をつけるのが良いと思います。
■ミスした箇所(一部)
テキスト(一部)
… ce modèle « sans station » ( ) .
選択肢
① n’a pas beaucoup d’obstacles à surmonter
② n’a pas que des partisans
③ ne peut que s’imposer
答えは②の「支持者だけではない」
partisan は「(思想や人物などの)支持者」つまり「駅を必要としないこのスタイルについては支持者だけではない」
空欄の前に「車道のどこにでも自転車を止めること」のネガティブな面が描写されているので partisan の意味が分かっていればこの選択肢を選ぶことが出来ます。
長文正誤
内容一致、選択問題です。一問2点。
8問あるので落としてしまうと合計16点になり痛手です。⑤から更に長い30行程度のテキストになります。それに対応する正誤を問う問題文は15〜20語程度。
2018年秋の内容は『仕事に関連した自殺問題』でした。試験後半で社会問題など堅い内容がほぼ1ページ続き私は集中力が落ちてきました。
特に注意したいのが、必ずしも本文と矛盾していなくても、本文に書かれていないことが含まれる場合は「一致しない」が答えになります。これを誤解し1問落としました。
■ミスした箇所
テキスト(一部)
Selon lui, les pouvoirs publics n’ont rien fait jusqu’à présent pour la santé des chômeurs.
問題文
Ludovic Laporte dénonce l’inaction des pouvoirs publics dans la lutte contre le chômage.
答えは「一致しない」です。
テキストの「彼によると、行政は現在まで失業者の健康のために何もしていません」と問題文の「ルドビック・ラポルテ(彼)は失業問題に対して何もしていない当局を非難している」は一見矛盾していません。
ただ本文では失業(問題)とは言っていなくて、失業者の『健康』について言っています。こうした紛らわしい問題があることを覚えておいてください。
長文日本語要約
日本語で内容要約、合計15点の3問です。多分5点ずつの配点。同じく30行程度のテキストになります。
テキスト難易度は⑥と同じくらいですが、日本語の問題文を最初に読める分、本題の主旨は想像しやすいです。
2018年秋の内容は『オーディオブックの普及』でした。
対策として王道なのが問題文(日本語)から読んでおくこと。答えを探しながらテキストを読みます。ここでまだ後に最後の仏作文を残しているので、時間配分には気をつけて下さい。
ここは記述なので私の得点は不明。
■問題(一部)
キーとなるテキスト部分
La société américaine a en effet une forte tradition de la lecture à haute voix. De plus, les longs trajets en voiture favorisent cette pratique.
問題文
筆者によれば、アメリカではなぜオーディオブックに人気があるのですか。(25字以内)
解答例は「音読の伝統があり、車で移動する時間が長いから」でした。特にひねった解答は必要なく、キーとなる文章を見つけてそのまま素直に訳せば良いパターンがほとんどです。
和文仏訳
3行程度の日本語の文章をフランス語にします。
日本語で見るとどうってことのない簡単な文ですがフランス語らしく書くことは難しい。また単純なスペルミスにも注意。
こちらも私の得点は分かりません。
■問題文
彼女が生まれた町では、港から5分ほど歩くと2軒の映画館があった。片方はお城のように大きく、もう片方はひどくちっぽけだった。どちらもきたない建物で、どちらも映画館らしくなかった。入口がどこにあるのかすらわからなかった。
解答例の一部を挙げると
L’un était 〜 comme 〜, l’autre 〜
(片方はまるで〜、もう片方は〜)
aucun ne ressemblait à un cinéma
(どちらも映画館らしくなかった)
On ne voyait même pas où se situait l’entrée
(入口がどこにあるのかすらわからなかった)
日本語を全部訳そうとするとぎこちなさが出るので、ほどほどの意味の取り直しで仏文にするセンスが必要。
簡単ではありませんが、普段から簡単な小説を読んで頭でこれが日本語なら?と考えたり、フランス語らしい言い回しに注目してストックしておいたりするのが良いです。
あとはアウトプットに慣れるという意味で日記も練習になります。余裕があればたまにネイティブに添削をしてもらうのが良し。
書き取り
問題は1問のみだけど配点が20点と大きい重要パート。比較的優しく一番点数が稼ぎやすいです。
音声は3回も読まれるし、全くビジネスレベルのスピードではないので安心してください。
1度目は普通の速さ、2度目はポーズをおいてゆっくり(この時句読点も読まれます)、3度目はまた普通の速さで読まれます。
この形式のテストは1度目は書かずに内容を把握することに集中、2度目で書き取り、3度目で確認作業がベストです。最後に3分間の見直し時間も与えられるのでその間にアクセント記号や時制の一致、句読点など更に見直します。
ディクテの得点は確実に練習量に比例するため早めに対策を。
私は下で紹介する単語帳と付属CDでディクテやシャドーイングだけはしていたのでそれに救われました。
試験になると知っているはずのスペルを忘れてしまうこともよくあるので、普段から手で書く練習も意外と大事です。
2018年秋の内容は『子供の頃にいた変わった隣人の話』 でした。
まず Quand j’étais petite, というお決まりの言葉から始まります。この一文から既に過去の話であること(つまり動詞は複合過去形か半過去形にする)、petite なので語り手は女性であることが分かります。ここを意識していないと後に続く文章で時制や性数一致が出来なくなります。
大まかな内容は、「私が小さいころ、変わったお隣さんがいた。お隣さんの庭には無数のアリがいた。一瞬目を離したすきに机の上のジャムの瓶に群がるほどアリは賢い虫なんだとお隣さんは話していたけど、自分はそれが賢さの証明だとは思わなかった。庭には大量のスズメバチや蜂もいて、私は花を摘みに行きたかったけど怖かった。蚊もたくさんいた。普通はこういう虫にはみんなうんざりするものなのに」という感じです。
私は「スズメバチ」の guêpe が書けませんでした。他にもいくつかスペルミス、リエゾンなどによる聞き逃し、性数一致抜けが結構あった気がします。
難しい単語は無いのでポイントはやはりいかに細かいミスを減らせるかです。数をこなすしかありません。
聞き取り
問題数2問、配点20点。こちらも比較的優しく点数を取りやすいパートです。
穴埋め記述と内容正誤マークの両方があります。普段からネイティブスピードに親しんでいると多少ゆっくりに感じます。
私の時には問1でインタビューとそれについての質問を聞き単語を穴埋めする問題、問2で話を聞いてそれについて述べた10問を内容一致で正誤選択する問題でした。問1のインタビューと問2の話の部分は3度、どちらも質問部分は2度読まれます。
こちらの内容は音声テキストがないので載せられません。代わりに問題が2011年度と古いですが、APEF仏検公式サイトの過去問ページを参考にしてみてください。
耳を傾けるだけで良いPodcastやラジオを家事や通勤の合間など生活の一部に組み込んでしまうのが得策です。
息抜きでフランスの子供向けYouTubeなども楽しいです。1 jour, 1 questionは可愛いし視覚的に理解しやすいのでおすすめ。
個人面接
次に準1級からレベルが上がる面接。
なぜなら2級までは質問されたことに答える受動的な形に対して、準1級はテーマを選んで一人で話し続ける発表 monologue(モノログ)があります。自分の意見を言うのが苦手な日本人には少し辛い面接。
内容は『与えられたテーマのなかから受験者が選んだものについて発表と討論』です。準備時間3分+面接時間7分で、そのうち3分が発表、4分が質疑応答になります。
受験レポート
ここからは実際に受験した時の様子をレポート的にまとめます。
私は大阪のアリアランスフランセーズで受験しました。まず試験会場につくと受付を済ませ、他の受験者とともに自分の時間になるまで教室で待機。時間になると2人づつ呼ばれ、面接をする部屋の前まで案内されます。
時間になるとテーマが2つ書かれたカードを渡されるので、どちらかテーマを選んで頭の中で考えをまとめます。この準備時間が3分。
今思うとあり得ないのですが、当時本当にずっと調子が良くなくてほぼ試験準備をしなかったので当然3分で何もできません。というか、まともに発表の「型」すらも知らなかったので導入も結論も利点欠点も考えていませんでした…(ひどすぎ)
引いたテーマは「都会に野生動物が増えていることについて」と、もうひとつはテーマ文自体が長文でぱっと見て知らない単語が見えたので即座に諦めました。
どちらを選んでも優劣は無いため、自分が答えやすいと思う方を即選ぶことが大切です。
3分経って呼ばれたら入室し挨拶してから発表スタート。私は結局何を言えばいいのか全く決まらないまま入室。ひとまず笑顔で挨拶だけして頭はパニックです。
試験官は60代くらいの日本人女性、50代くらいのフランス人男性でした。氏名など簡単な確認の後、自分の選んだテーマの提示と発表を始めます。
(うろ覚えですが)自分の家の裏にもよく食べ物を求めてイタチが来るので、自然が減って野生生物の住むところが無くなってきている問題を身近に感じていて~という話をした気がします。
当然何も準備出来てないので発表の形も成さないまま話すことが無くなり、すぐ質疑応答開始。質問は全てフランス人試験官からでした。
「それで、そのイタチはどうなったんですか?」
「都会におりてくる野生生物についてどうするのが良いと思いますか?」
「何か出来る対策などは?」
など私に意見を言わせようと(中身の無い発表を補おうと)質問が色々とされました。意地悪な質問や反論をされるわけではなく、どちらかと言えば手助けしてもらっている印象を受けました。
それにも大して答えられず質疑応答が終了し、笑顔で挨拶して退出。
今書いていて自分でいたたまれない気持ちなんですが、その時唯一良かったなと思えたことはあまり気負わず話せたことです。単語も全然出てこない、たいした内容も無い、と散々だったけど会話のキャッチボールだけは成立していたと思います。
対策本には「問われているのはテーマについての正確な知識とか考え抜かれた論旨ではなく、いかなるテーマが与えられてもフランス語である程度論じることができるということ」つまり『ディベート能力』とそれを支える『フランス語力』が重要だとありましたが…(笑)
もはや内容はほぼ関係なく、それなりに会話が成立してたらすごく前向きに「議論ができている」と捉えてくれるのかもしれません。とにかく、黙り込まないことだけが重要だと言えます。
面接対策
そうは言いつつ、当然フランス式の議論展開の仕方は見ておいた方が良いです。
選んだテーマを伝える→導入・問題提起→利点欠点+具体例を挙げる→結論
この型に沿って話します。一般的に大事なのは
・導入、結論があることと
・展開部では利点・欠点や賛成派意見・反対派意見など両局面を扱うこと
・それぞれ具体例を入れること
テーマは時事か一般的な「学校での制服着用義務について」や「女性の家庭と仕事の両立問題」のような話になるので、普段から自分がその問題に対してどう思うのか、意見を持っておくことが必要だと痛感しました。意見が無いということがフランス語云々より辛いです。
これらを踏まえて、可能ならネイティブ相手に3分話す練習をすることをオススメします。
私は1、2度だけフランス人にテーマを出してもらって時間を計ってモノログをする練習をして死ぬほどダメで、ダメだったのにそのあと特に練習できず本番を迎えるという…(笑)
でもこんな有様でも壊滅的な点数ではなかったのです。
この採点の甘さや最終で落ちる人の少なさから見ても、準1級といえ高いレベルを求められているわけではありません。実際あの3分の準備時間で何か有意義な発表を考えられる人はまれです。
だからこれから面接を受ける皆さんも自信を持ってください。
とにかく初めと終わりはきちんと笑顔で挨拶、もちろん身だしなみも忘れずに。相手とのコミュニケーションを大切にする姿勢だけは絶対に見せてください。
追記・この100倍真面目に取り組んだ1級でもっと詳しく面接対策をまとめています。時間が7分から9分になるだけでほぼ試験内容は変わらないのでこちらも参考にしてください。
おすすめ教材
問題集
私は普段公式問題集は絶対1冊しっかりやります。5級からここに来るまでなんだかんだ公式問題集を一番信頼しており仏検においてはそれ以外の対策ワークをほぼしたことがありません。仏検らしく、文法には強いです。仏検に受かるには仏検のワークです。
過去問のレベルチェックと時間配分の感覚をつかむ為にも模擬試験は必ずしておきたいところ。
ちなみに公式問題集は2020年度から前年度の過去問をまとめた「年度版」(隣り合う級も一冊に)と練習問題をまとめた「セレクション」に分かれました。財布に優しくないし不便だし、これはちょっと残念…
試験形式に慣れるだけでいいので、年度が古すぎなければ改変前のものを買うのも手です。
だいぶ前に購入していたこの対策本の語形変化リストを付け焼刃で暗記したら、なんと2問も出題がありました。
文字がぎっしりで問題集としてはやや使いにくい印象。公式問題集と比べると結構細かく全ての項目が網羅されているので、公式だけでは心もとない、もう一冊やっておきたいという場合には悪くないです。
文法・和文仏訳対策
文法の総復習に。すごく良いテキストだと思っているんですが、今は絶版で価格が高騰しています。CDが3枚もつき、細かい文法説明がとても分かりやすく、ボリュームたっぷりなのに33日で終えられる。私は文法復習がてら受験前からちまちまと取り組んでいました。
古いので内容が時代遅れな時もありつつ、プチ二コラ(フランスの子供向け絵本)から長文を引用したり気が利いています。
特徴的なのが仏文→和訳、和訳→仏文を書かせる問題が多く、悪く言えばちょっと一昔前っぽい学習形式のテキスト。しかし和文仏訳対策テキストは少ないのでその点が逆に利点だと言えますし、仏検向きだなぁと思いながら使っていました。
もし中古などで手に入るなら是非。
準1級受験からかなり時間が経って出会ったテキストですが、これ以上に良い仏作文の本はないと思っています。内容は高度ではないですが、「言いたくて言えない」フランス語が満載で実践でも役立ちます。このテキストのレビューも書いているので気になる方は参考にしてください。
語彙・ディクテ対策
名詞化対策の王道中の王道。ただひたすら名詞化と例文が並ぶテキストで苦痛な人はすごく苦痛らしいです。
当時の私はやってなかったのですが、後から手に入れて見てみるとかなり名詞化の感覚が鋭くなっただろうからやっていれば良かったと思いました。一周するのに時間を要します。試験まで時間の余裕がある方向け。
追記・仏検1級受験前に3周終えた結果、これを丸暗記することは非現実であるという結論に至りました。準1級は穴埋めのひらめきが全てなので、さらりとやって執着しすぎない方が良いです。
2級以上からの単語帳でスタンダードなのがこちら。全然色んな対策ができてない中、この一冊だけはかなりやりこみました。
章ごとに入る短い文章と音声でリスニング、ディクテ、シャドーイングも出来る優れものです。
2級対応と準1級対応の章が半々になっていて、全体では丁度間のレベルといった感じ。難点は内容が古めなことと、準1級のボキャブラリーはこれだけではカバーしきれないことですが、長文の練習問題もあり単語帳としてはとてもコストパフォーマンスが良い。
音声もゆっくりとノーマルとあり取り組みやすい文量なので、私はこれで主にディクテの練習をしていました。
リスニング・面接対策
仏検ではなくDELF B2の試験対策用ですが、二次試験のモノログの練習にはたくさんヒントがあります。もし今後B2も視野にあるなら買って損はないテキスト。
議論展開の組み立て方を順を追って練習できるし、テーマも多く議論で使える表現も本当に豊富です。難しいし結構しんどいテキストで私も部分的にしか使えていませんが、レベルが上がることは間違いなしです。
17言語に対応するNHKのニュースアプリです。フランス語に設定すれば日本のニュースをフランス語で聞いて読めます。
内容が日本のニュースなのでとっつきやすいのと、放送された記事をフランス語でも日本語でも読めるところが素晴らしい。
ニュースを聞いてまずリスニングを鍛え、記事を読んでリーディングを鍛えます。特に準一級においてはニュースやインタビュー記事に出てくる単語に慣れることはとても大切です。毎日ニュースを聞くことは必然的に面接対策にもつながります。
お疲れ様でした!私の反省点がこれから受験される方の参考になれば幸いです。
Bonne chance !
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