Coucou ! ほたです。
会話で接続法が苦手という方に向けて、ストレスが減る接続法の使い方を紹介します。
活用などの話ではなく、基礎的な用法は抑えているのを前提に少し裏技的なリアルな会話を円滑にしようという話です。
むしろ教科書には書いていない用法ですが、これまでフランス人講師・日本人講師に聞きまくって理解した内容をまとめています。
是非私と一緒にクリアにしていきましょう!
そもそも接続法とは
まずは基本的な使い方をおさらいしておきます。
文法の教科書では接続法を事柄を事実としてではなく、単に頭で考えたこととして表す時に使う法と説明しています。
具体的には話す人が~で悲しい・嬉しいなどという感情、~するのは良い悪いという判断、~して欲しいという要求や願望などが当たります。大事なことは、接続法は「incertitude(不確かなこと)を話す為の法」。下を見比べてください。
■直説法
Il n’est pas venu. 彼は来なかった。
彼が来なかったという確かな「事実」に焦点を当てて話す時。
■接続法現在
Je suis triste qu’il vienne pas. 彼が来ないのが悲しい。
彼が来ないが、残念という不確かな「感情」に焦点を当てて話す時。
■接続法過去
J’etais triste qu’il ne soit pas venu. 彼が来なくて悲しかった。
彼が来なかったが、残念という不確かな「感情」に焦点を当てて話す時。
この違いです。そしてその接続法を導くのが、C’est bien que.. や Je suis content(e) que.. 等々の接続句。
さらに詳しい説明はプロフェッショナルなサイトでご確認ください。北鎌フランス語講座
会話で使われる接続法
さて、ここから本題。
このブログの目的はフランス語を実際に運用できるようになること!
正直、接続法難しいですよね?フランス人にとっても難しいらしいですよ。
では実際にフランス人がどうしているのか、教科書には書いていない用法の話です。
まず、ここでもう一度思い出してほしいのが接続法は incertitude(不確かなこと)を話す為の法であるということ。
つまり逆を言うと確かなら直説法でも良いという考えがあります。もう起こってしまったこと(=過去のこと)は確定されているのでそもそも接続法を使う必要がないというのがその根拠です。
同じ接続句の C’est dommage que を使って2つ例を書いてみます。
例1:同窓会に来るはずだった友達が来られない…
彼が「病気で」残念だ。
C’est dommage qu’il soit malade.
自分が同窓会の場にいて話している→現在の状況→接続法現在
彼が「病気だったから」残念だ。
C’est dommage qu’il était malade.
過去の同窓会を思い出して話している→過去の状況→事実→直説法半過去
例2:フランス語で授業が受けたかったのに、解説が始終英語だった…
授業が「英語で」残念だ。
C’est dommage qui le cours soit en anglais.
現在も継続して受けている授業について話している→現在の状況→接続法現在
授業が「英語だったから」残念だ。
C’est dommage que le cours était en anglais.
過去に取っていた授業について話している→過去の状況→事実→直説法半過去
本当なら、過去のことなので接続法過去になるべきところ接続詞+直説法半過去が使われています。
これは文法的には正しくありません。でもネイティブ、しかもフランス人講師でも使う形です。やっぱり言語って、生き物なのですね。
あえてこの用法を使おうということではないのですが、事実として話すなら接続法は使わなくても会話ではまかり通るのです。
会話で接続法を克服する方法
そして更に、より省エネでネイティブらしく(?)話すテクニックを紹介します。
それは「文章を2つに分けて極力接続法を使わない」ということです。
上の文章で言うと、
C’est dommage ! Il est malade !
C’est dommage ! Il était malade !
C’est dommage ! le cours est en anglais !
C’est dommage ! le cours était en anglais !
(感情を込めるとなお良し)
直説法だけで全く同じことが言える上にテンポも良いです。ちょっとずるいでしょうか?(笑)でもこれも以前私が先生に教えてもらった方法です。
「え~病気なんだぁ。残念!」「なんだ、残念~英語なの?」と同じ。自然だと思いませんか?
きっと私たちが会話で詰まってしまうのは、長い文章を正しく言わなきゃと思うから。日本語でも私たちは普段そんなに長文で話していません。
無意識にフランス人もやっているので、「短文でしか話せない…」と自分を責めないでいきましょう!
まとめ
まとめると「会話」において
・過去を話すのは直説法でもOK
・会話では極力2文に分ける
これでかなりオーラルにおいて詰まってしまうストレスから解放されます。
接続法過去の頻度も減るのでその分負担が減りますね。
おまけ – フランス人の考え
例文の正しい形(接続法過去)を聞くとフランス人はどう思うのか。面白いので残しておきますがマニアックな話になるので興味のない方は飛ばしてください。
C’est dommage que le cours était en anglais. は本当は接続法過去形であるべきで、
C’est dommage que le cours ait été en anglais. ですね。
この場合だとイメージでは「この1年間ずっとフランス語で授業が行われているのに、先週1週間は英語だったので残念(今はもうフランス語に戻っている)」という捉え方になります。
文章を補うと、C’est dommage que les cours aient été en anglais la semaine dernière (alors que d’habitude ils sont en français).です。
継続した状況 la situation の中に一時的、部分的な完結した動作 l’action があるパターン。( Action terminée spécifiée à un moment précis )
※「状況」とは晴れている、怒っているなど状況の描写や状態のことで、「動作」とは来る、話す、食べるなど具体的な動作のことです。
図で表すとこんな感じ。
l’action unique une fois au milieu d’une autre situation
こういう時には接続法過去だという感覚があります。でも頻度は少なくほぼ使わないとのこと。
この感覚の違いだけ心にとどめておくと役立つかもしれません。
同じネイティブでも「接続法半過去や大過去まで使いこなせるようになってこそ…正しいフランス語が使えないフランス人が増えて嘆かわしい」という先生もいるので、この会話用らしき用法を受け入れるのは若干その人次第かなと思いました。
もちろん作文では正しい用法で書いてくださいね。会話が苦手な方は是非参考にしてみてください。
A bientôt !
コメント
いつも有益な記事を有難うございます。
ところで、細かくて申し訳ありませんが「直説法」ですよね。なぜか「直接法」と書かれている方が結構多いですが、、、😓
Hélène様
こんばんは!こちらこそ、いつもコメントありがとうございます😊
なんと、本当ですね!本当に、全っっく気付いていませんでした!(笑)
これは良くないですね…ご指摘頂きありがとうございます。先ほど訂正しておきました!
それでは私のコメント消してくださいね。